分厚い胸板を作るには、フラットベンチプレスだけでは足りません。インクラインベンチプレスを取り入れることで、大胸筋の上部を集中的に鍛えられ、鎖骨の下からボリュームのある立体的な胸を作ることができます。
この記事では、インクラインベンチプレスの正しいやり方・ベンチの角度設定・効果を高めるコツまで、初心者にもわかりやすく解説します。胸トレのレベルアップを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

最初の1つで迷ったら、ここから選ぼう
自宅トレで本当に要るものは、思っているより少ないです。優先度の高い順に器具とギアを並べて、それぞれ何ができるようになるかを整理しています。

インクラインベンチプレスとは?鍛えられる筋肉
インクラインベンチプレスは、ベンチの背もたれを斜めに起こした状態で行うベンチプレスです。通常のフラットベンチプレスと異なり、バーベルを斜め上方向に押し上げる軌道になるため、大胸筋の中でも上部の筋繊維に強い刺激が入ります。
主に鍛えられる筋肉
- 大胸筋上部:鎖骨に付着する筋繊維。胸の上のほうのボリュームを出す
- 三角筋前部:肩の前側。押す動作で補助的に働く
- 上腕三頭筋:二の腕の裏側。バーを押しきる動作で関与する
フラットベンチプレスでは大胸筋中部がメインターゲットになりますが、インクラインにすることで上部への刺激比率が高まります。胸の上部が発達すると、鎖骨の下からの膨らみが出て、見た目の印象が大きく変わります。
ベンチの角度はどう設定する?
インクラインベンチプレスで最も重要な要素の1つが、ベンチの角度設定です。角度によって効く部位と負荷のバランスが変わってきます。
角度別の特徴
- 15~20度:フラットに近い。大胸筋中部と上部の中間的な刺激
- 30度:大胸筋上部と中部のバランスがよい。初心者におすすめ
- 45度:大胸筋上部への刺激が強くなるが、三角筋前部の関与も増える
- 60度以上:ほぼショルダープレスに近くなる。胸への刺激は弱まる
おすすめは30~45度の範囲です。初心者はまず30度から始めて、大胸筋上部の収縮感を掴んでから45度も試してみるとよいでしょう。45度のほうが上部への刺激は強いですが、三角筋前部の関与が増えるため、肩に不安がある方は30度のほうが取り組みやすいです。


インクラインベンチプレスの正しいやり方
バーベルでのやり方
- ベンチの角度を30~45度にセットする
- ベンチに座り、足裏全体を床につけて安定させる
- 肩甲骨を寄せて胸を張り、軽くアーチを作る
- 肩幅より拳1.5~2個分広いグリップでバーを握る
- ラックからバーを外し、鎖骨の少し下あたりの真上にバーを構える
- 鎖骨と乳首の間あたりにバーを下ろす
- 胸にバーが軽く触れたら、斜め上方向に力強く押し上げる
- バーを下ろす位置が低すぎると肩に負担がかかる。鎖骨と乳首の間が目安
- 肩甲骨の寄せが甘いと三角筋前部に負荷が逃げやすい
- お尻がベンチから浮かないように注意する
ダンベルでのやり方
ダンベルで行う場合は、バーベルよりも可動域が広くなるため、大胸筋上部のストレッチをしっかり感じられるメリットがあります。左右の筋力差の改善にも効果的です。
- ダンベルを両手に持ち、インクラインベンチに座る
- ダンベルを膝の上に乗せ、背中をベンチにつけながら寝転がる
- 肩甲骨を寄せ、ダンベルを胸の上でスタートポジションにセットする
- 肘を45度程度に開きながら、ダンベルをゆっくり下ろす
- 大胸筋上部のストレッチを感じたら、斜め上方向に押し上げる
重量と回数の目安
インクラインベンチプレスは、フラットベンチプレスよりも扱える重量が下がるのが一般的です。フラットの70~80%程度が目安で、フラットで80kgの方なら56~64kgあたりが適正重量になります。
- 筋力アップ目的:5~8回 × 3~4セット
- 筋肥大目的:8~12回 × 3~4セット
- セット間インターバル:2~3分
フラットと同じ重量で行おうとすると、フォームが崩れて肩を痛める原因になります。インクラインはフラットとは別種目と考えて、重量を調整しましょう。
インクラインベンチプレスで効かせるためのコツ
1. 肩甲骨をしっかり寄せる
肩甲骨が寄っていないと、バーを押す力が三角筋前部に逃げてしまいます。「胸を突き出す」イメージで肩甲骨を寄せ、背中にアーチを作りましょう。
2. バーを下ろす位置を意識する
フラットベンチプレスよりやや上(鎖骨寄り)にバーを下ろすのがポイントです。乳首のラインまで下ろしてしまうと、上部への刺激が弱まります。
3. 足でしっかり踏ん張る
足裏全体を床に押しつけて、下半身の安定性を確保します。足の踏ん張りが弱いと上体が不安定になり、力を発揮しにくくなります。
4. ネガティブを丁寧に行う
バーを下ろす動作を2~3秒かけてコントロールすることで、大胸筋上部へのエキセントリック刺激が増します。重力に任せてストンと落とさないようにしましょう。


憧れのホームジム、作っちゃう?
ラック・ベンチ・プレートをバラバラに買うと、あとでサイズが合わずに買い直しになりがちです。予算ごとに何をどの順で揃えるか、床や騒音の対策まで含めてまとめています。



インクラインベンチプレスを組み込んだメニュー例
胸の日のメニュー例
- フラットベンチプレス:8~10回 × 3セット
- インクラインベンチプレス:8~10回 × 3セット
- ダンベルフライ:12回 × 3セット
- ケーブルフライ:12~15回 × 3セット
フラットのあとにインクラインを入れるのが王道ですが、大胸筋上部を優先的に鍛えたい場合はインクラインを最初に持ってくるのも効果的です。フレッシュな状態のほうが重い重量を扱えますし、上部への集中度も高まります。
インクラインベンチプレスに関するQ&A
Q. スミスマシンのインクラインプレスでも効果はある?
バーの軌道が固定されるため安定感があり、初心者には取り組みやすいです。ただし、フリーウエイトに比べて体幹を使う機会が減るので、できればフリーウエイトも取り入れたいところです。
Q. インクラインベンチプレスで肩が痛い場合は?
角度を30度に下げる、グリップ幅を狭くする、バーの下ろす位置を調整するなどで改善するケースが多いです。それでも痛みが出る場合はダンベルに切り替えるか、医療機関への相談を検討しましょう。
Q. 週に何回行うのが効果的?
胸のトレーニングは週2回が基本です。フラットとインクラインを同じ日に行ってもよいですし、別の日に分けて行っても構いません。回復を考慮して、間に2~3日の休息を挟みましょう。
インクラインベンチプレスとフラットベンチプレスの使い分け
インクラインとフラット、どちらを優先すべきかは自分の弱点によって決まります。胸の上部が薄いと感じるならインクラインを優先し、全体的な厚みが足りないならフラットを優先しましょう。
インクラインを優先すべき人
- 鎖骨の下あたりが薄く、胸の上部にボリュームがない人
- フラットベンチプレスである程度の重量を扱えるようになった中級者
- Tシャツの上からでも映える胸板を目指している人
フラットを優先すべき人
- 筋トレ初心者で、まずは基本的な筋力を高めたい人
- ベンチプレスのMAX重量を伸ばすことが目標の人
- 胸全体のボリュームをまず増やしたい人
理想的には両方をバランスよく取り入れることです。同じ日に行う場合は「優先する種目を先にやる」のが基本です。インクラインを先にやると上部への刺激が最大化され、フラットを先にやると全体的な筋出力が最大化されます。


スミスマシンでのインクラインプレスについて
スミスマシンのインクラインプレスは、バーの軌道が固定されているため、初心者がフォームを習得するのに向いています。フリーウエイトに比べてバランスを取る必要がないので、大胸筋上部への集中度を高めやすいのもメリットです。
ただし、軌道が固定されている分、体の自然な動きとバーの軌道が合わないと肩に違和感が出ることもあります。ベンチの位置を微調整して、自分にとって自然な軌道でプレスできるポジションを見つけましょう。
インクラインベンチプレスの重量が伸びないときの対策
インクラインベンチプレスの重量が伸びないと感じたら、以下の点を確認してみましょう。
三角筋前部の疲労
インクラインでは三角筋前部の関与が大きいため、肩の日のあとにインクラインを行うと、前部がすでに疲労していてパフォーマンスが落ちることがあります。トレーニングの順番やスプリット(分割法)を見直して、インクラインの日の前に肩を休ませる日を設けましょう。
グリップ幅の見直し
フラットベンチプレスと同じグリップ幅で行っている方が多いですが、インクラインではやや狭めのグリップのほうが大胸筋上部に効かせやすい場合があります。拳1個分ずつ狭くして試してみましょう。
ダンベルに切り替えてみる
バーベルで停滞しているなら、一時的にダンベルインクラインプレスに切り替えるのも効果的です。ダンベルは可動域が広く、バーベルとは異なる刺激を大胸筋に与えられます。4~6週間ダンベルで行ったあとにバーベルに戻ると、重量が伸びていることが多いです。
ネガティブ重視のトレーニング
通常より重い重量(105~110%1RM程度)をセットし、パートナーの補助付きで下ろす動作だけを3~5秒かけて行うネガティブレップ法も停滞打破に有効です。ただし、関節への負担が大きいので、2~3週に1回程度にとどめましょう。
まとめ
インクラインベンチプレスは、大胸筋上部を集中的に鍛えて、立体的な胸板を作るのに欠かせない種目です。ベンチの角度は30~45度の範囲で、初心者は30度からスタートするのがおすすめです。
肩甲骨をしっかり寄せ、鎖骨と乳首の間にバーを下ろす意識を持つだけで、大胸筋上部への刺激が大きく変わります。フラットベンチプレスと組み合わせて、バランスの良い胸を目指しましょう。
参考:uFit|インクラインベンチプレスのやり方、トレーナーエージェンシー|角度の選び方、RETIO|インクラインベンチプレスのやり方
プロテインとサプリ、買う順番だけ決めておこう
種類が多すぎて最初の1袋で止まりがちなところです。何から始めて、何は後回しでいいのかを、成分と価格の面から整理しています。





