「脂質はできるだけカットしたほうがいい」と思い込んでいるトレーニーは少なくないんだよね。でも、脂質を極端に減らすと、ホルモンバランスが崩れたり、体調を崩したりするリスクがあるんだ。
この記事では、筋トレをしている人が知っておくべき脂質の適正摂取量と、良質な脂質の選び方を詳しく解説していきます。PFCバランスの全体像も押さえて、栄養管理のレベルを上げていこう。

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筋トレに脂質が必要な理由
ホルモンの生成に不可欠
脂質はテストステロンや成長ホルモンなど、筋肉の成長に関わるホルモンの原料になります。脂質が不足するとこれらのホルモンの分泌が低下し、筋肥大の効率が落ちる可能性があります。特にテストステロンはコレステロールから合成されるため、適度な脂質摂取は筋トレ効果を引き出す上で欠かせません。
細胞膜の構成成分
人体の約37兆個の細胞はすべて脂質で構成された細胞膜に覆われています。脂質が不足すると細胞膜の機能が低下し、栄養の取り込みや老廃物の排出がスムーズにいかなくなることがあります。筋肉細胞も例外ではないため、脂質不足はトレーニングの回復力低下にもつながります。
脂溶性ビタミンの吸収を助ける
ビタミンA・D・E・Kなどの脂溶性ビタミンは、脂質と一緒に摂取しないと体に吸収されにくい性質があります。特にビタミンDは骨の健康や筋力の維持に関わるため、脂質不足による吸収低下は避けたいところです。
長時間のエネルギー源
脂質は1gあたり9kcalと、タンパク質や炭水化物(各4kcal/g)の2倍以上のエネルギーを持っています。長時間の活動や低強度の運動では主要なエネルギー源として使われるため、適度に摂取しておくことが大切です。
満腹感の持続に貢献する
脂質は消化に時間がかかるため、食事に適量の脂質を含めると満腹感が長く続き、間食や食べすぎを防ぎやすくなります。減量中にカロリーを抑えつつ空腹感を管理するためにも、脂質をゼロにするのではなく適量を確保することが重要です。
脂質が総カロリーの20%を下回ると、テストステロンや甲状腺ホルモンに影響が出やすくなります。減量中でも脂質は最低20%をキープしましょう。
脂質の適正摂取量|PFCバランスから考える
基本の目安:総カロリーの20〜30%
筋トレをしている人の脂質摂取量は、1日の総摂取カロリーの20〜30%が適正範囲とされています。
具体的な計算例を見てみましょう。
- 1日2,500kcal摂取する場合:脂質は500〜750kcal → グラム換算で約55〜83g
- 1日3,000kcal摂取する場合:脂質は600〜900kcal → グラム換算で約67〜100g
- 1日2,000kcal摂取する場合(減量時):脂質は400〜600kcal → グラム換算で約44〜67g
目的別のPFCバランス目安
- 増量期:P=25% / F=25% / C=50%
- 維持期:P=30% / F=25% / C=45%
- 減量期:P=35% / F=20% / C=45%
減量期はタンパク質の比率を上げつつ、脂質を下限(20%)まで抑え、炭水化物で調整するのが一般的なアプローチです。

良質な脂質と避けるべき脂質
積極的に摂りたい良質な脂質
- オメガ3脂肪酸:サーモン、サバ、イワシなどの青魚、亜麻仁油、チアシード
- 一価不飽和脂肪酸:オリーブオイル、アボカド、アーモンド、カシューナッツ
- 中鎖脂肪酸(MCT):ココナッツオイル、MCTオイル
特にオメガ3脂肪酸は炎症の抑制や関節の健康維持に役立つとされており、ハードなトレーニングを行うトレーニーにとってメリットが大きい栄養素です。
控えたい脂質
- トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニング、揚げ物全般
- 過剰な飽和脂肪酸:霜降り肉、バター、生クリーム(適量はOK)
飽和脂肪酸自体は適量であれば問題ありませんが、摂りすぎるとLDLコレステロール(悪玉)が増えやすくなるため注意が必要です。特にトランス脂肪酸は心疾患リスクとの関連が指摘されているため、成分表示で「部分的に水素添加された油脂」と記載のある食品は極力避けましょう。
脂質の摂りすぎ・不足による影響
脂質不足のサイン
- 肌がカサカサになる
- 便秘になりやすい
- 疲れが取れない・やる気が出ない
- トレーニングのパフォーマンスが落ちた
- ホルモンバランスの乱れ(男性の場合テストステロン低下)
脂質の摂りすぎのサイン
- 体脂肪が増えてきた
- 胃がもたれやすい
- 血液検査でコレステロール値が高い
脂質は1gあたり9kcalとカロリーが高いため、摂りすぎるとあっという間にカロリーオーバーになります。調理油や見えない脂質(菓子類・ドレッシングなど)にも注意しましょう。コンビニの惣菜や外食メニューには想像以上に脂質が含まれていることが多いため、栄養成分表示を確認する習慣をつけるのがおすすめです。
脂質管理の実践テクニック
調理方法を工夫する
揚げ物を避け、蒸す・焼く・グリルといった調理法に変えるだけで、余分な脂質をかなり削減できます。テフロン加工のフライパンを使えば油なしでも調理可能です。
ナッツは計量して食べる
ナッツは良質な脂質源ですが、カロリーが高いため食べすぎに注意が必要です。アーモンドなら1日20〜25粒(約25g)で脂質約12g・約150kcal。くるみなら10粒(約30g)で脂質約20g・約200kcalが目安です。袋ごと食べずに、あらかじめ小分けにしておくのがおすすめです。無塩・素焼きタイプを選ぶと、余計な塩分や油脂の摂取を抑えられます。
外食時の脂質コントロール
外食ではドレッシングを別添えにしてもらう、揚げ物の衣を外す、ソースを控えめにするなどの工夫で脂質を抑えられます。定食屋やファミレスではメニューに栄養成分が記載されていることも多いため、脂質量を事前に確認してからオーダーする習慣をつけましょう。
脂質の「見える化」を習慣にする
脂質管理を成功させるコツは、毎日摂っている脂質の量を「見える化」することです。食事記録アプリを使って数日間だけでも記録してみると、自分がどこで脂質を多く摂っているかが一目でわかります。意外と調理油やドレッシング、菓子パンなど「気づかないうちに摂っている脂質」が多いことに気づくはずです。

Q&Aコーナー
Q1:脂質ゼロを目指してもいい?
脂質ゼロは推奨されません。ホルモン生成や細胞機能に支障をきたし、長期的には筋トレの効果も落ちてしまいます。最低でも総カロリーの20%は脂質から摂取しましょう。
Q2:フィッシュオイルのサプリは飲んだほうがいい?
魚を週2〜3回食べている場合は、食事からオメガ3を十分に摂取できているケースが多いです。魚をほとんど食べない場合は、フィッシュオイルサプリで補うのも一つの選択肢です。
Q3:卵の黄身は食べても大丈夫?
卵の黄身にはコレステロールが含まれていますが、食事からのコレステロールが血中コレステロールに与える影響は個人差があるとされています。健康な人であれば1日2〜3個程度の卵は問題ないと一般的に考えられています。気になる方は医師に相談してください。
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1日の脂質管理を実践するモデルプラン
1日2,500kcal・脂質65g(23%)の場合
朝食
- オートミール+バナナ+プロテイン(脂質約5g)
- ゆで卵1個(脂質約5g)
昼食
- 白米+鶏むね肉(皮なし)200g(脂質約3g)
- サラダ+オリーブオイル小さじ1(脂質約5g)
間食
- アーモンド20粒(脂質約12g)
夕食
- サーモン150g(脂質約18g)
- 白米+味噌汁+野菜
トレーニング後
- プロテインシェイク+バナナ(脂質約2g)
このモデルプランで合計脂質は約50g程度。残りの15gは調理油や見えない脂質(肉の脂身、調味料に含まれる脂質など)で自然と摂れるので、だいたい65g前後に収まります。
脂質に関するよくある誤解
「脂質=太る」は正確ではない
脂質を摂ること自体が太る原因になるわけではありません。太る原因はカロリーオーバーであり、脂質だけが原因ではないのです。ただし脂質は1gあたり9kcalとカロリー密度が高いため、摂りすぎるとカロリーオーバーになりやすいという側面はあります。
「低脂質食=健康的」とは限らない
脂質を極端にカットした食事は、ホルモンバランスの乱れ、肌荒れ、便秘などの不調を招く可能性があります。大切なのは脂質の「量」だけでなく「質」にこだわることです。

脂質とトレーニングパフォーマンスの関係
トレーニング前の脂質摂取に注意
脂質は消化に時間がかかるため、トレーニング直前(1時間以内)に脂質の多い食事を摂ると、胃もたれや消化不良でパフォーマンスが落ちることがあります。トレーニング前は低脂質の食事を心がけ、脂質は朝食やトレーニング後の食事で摂取するのがおすすめです。
就寝前の脂質摂取は回復に効果的
就寝前にナッツやアボカドなど良質な脂質を含む軽食を摂ると、就寝中のホルモン分泌をサポートできるとされています。特にカゼインプロテインとナッツの組み合わせは、ゆっくりとした消化吸収で長時間にわたり体にアミノ酸とエネルギーを供給してくれます。
減量期の脂質カットは段階的に
減量期に脂質をいきなり大幅にカットすると、ホルモンバランスの乱れや肌荒れ、倦怠感などの不調が一気に現れることがあります。脂質を削る場合は1〜2週間ごとに5g程度ずつ段階的に減らし、体の反応を見ながら調整しましょう。総カロリーの20%を下回らないラインを死守することが大切です。

脂質に関するよくある疑問
Q4:MCTオイルは筋トレに効果的?
MCT(中鎖脂肪酸)オイルは素早くエネルギーに変換されるのが特徴で、朝食やトレーニング前のコーヒーに加えて活用する人もいます。ただし、直接的に筋肥大に効果があるわけではなく、あくまでエネルギー補給の選択肢のひとつです。胃腸が弱い人は少量から始めましょう。
Q5:「低脂質ダイエット」と「低糖質ダイエット」、筋トレに合うのはどっち?
筋トレのパフォーマンスを維持するなら、低脂質ダイエットのほうが相性が良いとされています。筋トレのエネルギー源は主にグリコーゲン(炭水化物由来)なので、糖質を減らすとトレーニングの質が落ちやすくなります。脂質を適正範囲内で抑えつつ、炭水化物とタンパク質はしっかり確保する方法が多くのトレーニーに支持されています。
Q6:揚げ物は絶対にダメ?
「ダメ」ではありませんが、頻度と量のコントロールが重要です。揚げ物は少量でも脂質とカロリーが高いため、食べる場合は1日の脂質の総量に収まるよう、他の食事で脂質を控えるなどの調整を心がけましょう。トンカツ1枚で脂質が30g近くになることもあるため、管理は意識的に行う必要があります。
まとめ
筋トレ時の脂質摂取量は、総カロリーの20〜30%(1日50〜100g程度)が目安です。脂質はホルモン生成やビタミン吸収に欠かせない栄養素なので、極端にカットするのは逆効果。トレーニング前後のタイミングも意識しながら、オメガ3やオリーブオイルなど良質な脂質を意識的に選びつつ、PFCバランス全体で栄養管理を行いましょう。脂質管理は「量」と「質」と「タイミング」の3つを意識すれば、筋トレとの相性を格段に高められます。
脂質管理に迷ったら「オリーブオイル小さじ1杯+魚を週2〜3回+ナッツ一握り」を基本に据えましょう。これだけでも良質な脂質を効率よく摂取できます。
参考:MELOS|PFCバランスの計算方法 FitOnline|筋トレ効果を最大化するPFCバランス 大正製薬|運動する人の理想的なPFCバランス
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