「スクワットって膝を痛めそう」「フォームがよくわからない」と不安を感じている初心者の方は多いのではないでしょうか。実際にこの悩みは非常に多く寄せられるものです。
実はスクワットは、正しいフォームでやれば膝を痛めるどころか、膝を強くする種目です。逆にフォームが間違っていると膝や腰を壊す原因になりますので、正しい知識を身につけることが大切です。
この記事では、スクワット初心者が「これさえ押さえておけば大丈夫」というポイントをすべてまとめました。焦らず一つずつ確認しながら、正しいフォームを身につけていきましょう。

スクワットで鍛えられる筋肉
スクワットは「筋トレBIG3」のひとつで、下半身を中心に全身を鍛えられる種目です。ターゲットとなる筋肉は以下のとおりです。
- 大腿四頭筋(太もも前面):メインターゲットです
- 大殿筋(お尻):ヒップアップに直結します
- ハムストリングス(太もも裏)
- 内転筋群(内もも)
- 脊柱起立筋(背中):姿勢改善にも効果的です
- 腹筋群(体幹)
下半身の筋肉は体全体の約70%を占めているため、スクワットをやるだけで基礎代謝がグッと上がります。ダイエット目的の方にもスクワットは非常におすすめです。
スクワットの正しいフォーム【ステップバイステップ】
1. 足の幅と角度を決める
足を肩幅〜肩幅より少し広めに開きます。つま先は30度くらい外側に向けてください。
「つま先はまっすぐ前に」と言われることもありますが、股関節の構造的にはつま先を少し外に向けたほうが自然に深くしゃがめます。
2. 体重のかけ方
体重は足裏全体に均等にかけます。具体的には、かかと・母指球・小指球の3点で支えるイメージです。
しゃがんだときにかかとが浮く方は、足首が硬い可能性があります。その場合は、かかとの下に薄いプレートを敷くか、リフティングシューズを使うと改善できます。
3. しゃがみ方
ここが最大のポイントです。以下のことを意識しましょう。
- お尻を後ろに引くようにしゃがむ(椅子に座るイメージ)
- 膝はつま先と同じ方向に曲げる(内側に入れない)
- 背中はまっすぐをキープ(丸めない、反りすぎない)
- 胸を張る
- 目線は正面〜やや上

4. しゃがむ深さ
理想は太ももが床と平行になるくらい(パラレルスクワット)です。もっと深くしゃがめるなら、それでも問題ありません(フルスクワット/ATGスクワット)。
「膝がつま先より前に出ちゃダメ」とよく言われますが、これは半分正解で半分間違いです。体の構造上、多少は前に出るのが自然です。ただし、極端に前に出すぎるのはNGです。膝とつま先が同じ方向を向いていることのほうが重要です。
5. 立ち上がり方
かかとで地面を押すイメージで立ち上がります。膝を伸ばすのとお尻を上げるのを同時に行うのがポイントです。
お尻だけ先に上がると、いわゆる「グッドモーニングスクワット」になって腰に負担がかかりますので気をつけてください。
6. 呼吸法
- しゃがむ前に大きく息を吸ってお腹に力を入れる(腹圧をかける)
- しゃがんでいる間は息を止める(バルサルバ法)
- 立ち上がりながら息を吐く
高血圧の方はバルサルバ法で血圧が急上昇するリスクがあります。医師に相談してから取り入れるようにしてください。
初心者がやりがちなNGフォーム5つ
1. 膝が内側に入る(ニーイン)
しゃがんだときに膝が内側に倒れるパターンです。膝の靭帯を痛めるリスクが非常に高いため、「膝を外に押し出す」意識を持つだけでかなり改善します。
2. 背中が丸まる(バットウィンク)
深くしゃがんだときに骨盤が後傾して腰が丸まる現象です。腰椎への負担が大きくなります。柔軟性不足が原因のことが多いため、股関節のストレッチを日頃から取り入れましょう。
3. かかとが浮く
足首の柔軟性不足が原因です。かかと下にプレートを敷くか、リフティングシューズで対応できます。
4. 上体が前に倒れすぎる
体幹の弱さや、足首・股関節の柔軟性不足が原因です。プランクやゴブレットスクワットで体幹を鍛えつつ、柔軟性も改善していきましょう。
5. ハーフスクワットで満足してしまう
浅いスクワットだと大腿四頭筋の一部しか使えません。最低でもパラレル(太もも平行)までしゃがむことを意識しましょう。重量を落としてでも深さを確保したほうが効果は高いです。

バーベルスクワットのバーの担ぎ方
ハイバー(高い位置)
僧帽筋の上にバーを乗せます。上体が起きやすく、大腿四頭筋への刺激が大きいのが特徴です。初心者にはこちらがおすすめです。
ローバー(低い位置)
三角筋後部あたりにバーを乗せます。上体がやや前傾し、お尻やハムストリングスへの刺激が大きくなります。パワーリフターに多いスタイルです。
初心者向けの重量設定とメニュー
重量の目安
- 男性初心者:バーのみ(20kg)〜40kg
- 女性初心者:バーのみ(20kg)〜25kg
最初はバーだけで十分です。フォームが安定してきたら、2.5kgずつ増やしていきましょう。バーだけでもしっかりフォームを意識すれば十分にキツく感じるはずです。
おすすめメニュー
- ウォームアップ:自重スクワット10回×2セット
- メインセット:8〜10回×3セット
- セット間休憩:2〜3分
- 頻度:週2〜3回
スクワットの効果を高めるコツ
モビリティドリルを事前にやる
スクワット前に股関節・足首のモビリティドリル(動的ストレッチ)を5分行うだけで、フォームの質がかなり変わります。準備運動を省略せずに取り組みましょう。
鏡やスマホで動画撮影する
自分のフォームは自分ではわかりにくいものです。横から撮影して、背中の角度や膝の位置をチェックするのが上達への近道です。
シューズにこだわる
ランニングシューズのようにかかとが柔らかい靴はNGです。底が硬くてフラットな靴(コンバースのオールスターなど)か、リフティングシューズがおすすめです。

自重スクワットのバリエーション
ジムに行けない日や、バーベルスクワットの前段階として、自重のバリエーションも覚えておきましょう。
- ゴブレットスクワット:ダンベルやケトルベルを胸の前で持って行います。フォームの練習に最適です
- ブルガリアンスクワット:片足をベンチに乗せて行います。バランス力と片脚の筋力アップに効果的です
- ワイドスクワット:足幅を広くとることで内転筋を重点的に鍛えられます
- ジャンプスクワット:爆発的なパワーを鍛えたい方向けです。膝への負担が大きいので注意が必要です
よくある質問(Q&A)
Q. スクワットは毎日やっても大丈夫ですか?
A. 自重スクワットなら毎日でも問題ありませんが、バーベルスクワットの場合は週2〜3回が適切です。筋肉の回復には48〜72時間が必要ですので、十分な休息を取りましょう。
Q. スクワットで膝が痛くなるのはなぜですか?
A. ほとんどの場合、フォームに問題があります。膝が内側に入っている(ニーイン)、しゃがみが浅すぎて膝関節に負担が集中している、などが主な原因です。フォームを見直しても改善しない場合は、整形外科を受診してください。
Q. スクワットで腰が痛くなります。対策はありますか?
A. 背中が丸まっている、腹圧が抜けている、重量が重すぎるなどの原因が考えられます。まずは重量を軽くしてフォームの確認から始めましょう。トレーニングベルトの使用も腰の保護に効果的です。
Q. スクワットとレッグプレスはどちらが効果的ですか?
A. 両方に良さがありますが、スクワットのほうが体幹も含めた全身の筋肉を使うため、総合的な効果は高いと言えます。フォームに自信がない間はレッグプレスも併用するのがおすすめです。
Q. 女性にもスクワットはおすすめですか?
A. 非常におすすめです。スクワットは脚が太くなるというイメージがあるかもしれませんが、適切な重量と回数で行えばヒップアップや基礎代謝の向上に効果的です。
Q. スクワットのあとに筋肉痛が来ないのですが、効いていますか?
A. 筋肉痛がないからといって効いていないわけではありません。トレーニングに慣れてくると筋肉痛は出にくくなりますが、フォームが正しく、適切な負荷で行えていれば効果はしっかり得られています。
まとめ
- 足は肩幅〜やや広め、つま先は少し外向き
- 膝はつま先と同じ方向に曲げる(ニーイン厳禁)
- 背中はまっすぐキープ
- 最低でもパラレルまでしゃがむ
- 最初はバーだけでフォーム練習
- 動画撮影でフォームを客観的にチェック
スクワットは正しいフォームさえマスターすれば、下半身強化・ダイエット・姿勢改善と、あらゆる目的に使える万能種目です。焦って重量を追うよりも、正しいフォームをコツコツ磨いていくほうが結果的に遠回りせずに済みます。地道に取り組んでいきましょう。

参考リンク:
※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

